任意整理についてよくあるご質問

任意整理をすると遅延損害金や利息は支払わなくてよくなりますか?

当事務所で任意整理を行う場合の和解は、弁護士会(東京三会)の統一基準に従った、分割返済もしくは一括返済での和解交渉を行います。

この統一基準には、「和解案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金、並びに将来の利息は付けないこと」という規定があり、大手の貸金業者はこの基準に従った和解の交渉に応じてくれることが大半です。なぜなら、遅延損害金や利息を強要してしまうことで、債務者(依頼者の方)が返済不能に陥ってしまったのでは元も子もなくなってしまうからです。

このようなことから、任意整理の和解は、分割返済であっても遅延損害金や将来利息を付けずにすむことが多いのです。

契約書等を紛失した場合でも任意整理ができますか?

基本的には弁護士が請求すれば,貸金業者は取引の履歴を提出してきますので可能です。ただ,取引期間が長い場合などには,過去の契約書や振込控等の返済をした証拠などがあれば任意整理を有利に進めることができます。

貸金業者は今までの取引履歴全部を開示しますか?

10年前後のものであれば基本的に開示はされます。ただ,貸金業者のほうで既に破棄している場合や,取引履歴を所有しているのに開示してこない貸金業者も存在します。その場合は,債務者の方からの情報を元に推定計算を行うことになります。

貸金業者は任意整理に応じてくれますか?

多くの貸金業者は応じてくれます。

なぜなら、貸金業者は、債務者に自己破産を申し立てられれば、債務者が持っている財産の範囲でしか返済を受けられないことを知っているからです。

個人の債務者は処分できる財産がないことが通常で、そうなれば貸金業者は1円も回収できないこととなります。そうなるよりは、貸金業者としても今後の債務者の収入から少しずつでも返済してもらうほうがよいので、任意整理に応じてくれることが多いのです。

任意整理をするとどのくらい借金が減額されますか?

利息制限法とは、借金の利息の上限を定めたもので、これを超える利息は無効となります。具体的には借金の元本額に応じて15~20%の金利が設定されています。

ところが貸金業者の多くは、利息制限法の上限利息を超えて、改正貸金業法が完全施行される以前の出資法の金利である29.2%までの利息を設定していました。任意整理をすると、法定利息と債権者が定めている利息との差額分が元本に充当されるため、その差額分が減額されることになります。なお、礼金、割引金、手数料、調査料という名目で受け取る金銭も利息とみなされています。

低金利の一本化と任意整理では、どちらが有利ですか?

任意整理のほうがとても有利です。任意整理の場合、基本的には今後発生する利息(将来利息)を付けないように交渉しますし、連帯保証人を立てることもありません。

任意整理に抵抗があるとのことで、「低金利で借金を一本化できる業者をインターネットで見つけた」という話を耳にすることがあります。確かに銀行などで借り換えをした場合、それまでよりも金利は少し低くなりますがゼロにはなりません。また、借入金額が大きくなってしまうため、審査が通りにくく、連帯保証人を立てるなどの条件をつけられる場合もあります。

また、のちのち返済が厳しくなってきて、「やはり…任意整理をしよう」となった場合、今度は借り換えをしたことが逆に足かせとなってしまうおそれがあります。

連帯保証人の方などにも多大な迷惑をかけることになりかねず、かえって被害を拡大させてしまう恐れがあるのです。

つまり、一本化といっても、結局は新しい大きな借金を作ることと変わりません。

もちろん、そのお金で他の貸金業者のこれまでの借金については返済するわけですが、借金の総額は全く減っていません。

また、金利が低いといっても、利子を上乗せしたお金を毎月返済しなければならないというこれまでの生活サイクルは何も変わることがないのです。

特定調停と任意整理とのどう違うのですか?

特定調停と任意整理はそれぞれ次のような手続です。

■特定調停
裁判所が仲介役となって債務者と各債権者との和解の成立を支援する公的な手続
■任意整理
弁護士が債務者の代理人となって各債権者と和解交渉を行う私的な整理方法
そして、特定調停と任意整理には表のような違いがあります。

特定調停 任意整理
代理関係原則として本人が行う(弁護士が代理人となることは可)。 弁護士が代理人として行う。
費用1社あたり500円。 弁護士との契約により決まるが、通常は特定調停より高額。
借金の減額幅利息制限法の上限金利による引き直し計算により減額される。将来の金利もカットされることがある。
※調停成立までの遅延損害金が加算される場合がある。
利息制限法の上限金利による引き直し計算により減額される。原則として将来の金利もカットできる。
和解成立までの遅延損害金は原則として加算されない。
※事情により、ごく稀に将来利息、遅延損害金が加算される場合がある。
債権者からの取立て申立後は取立てがストップ。弁護士に依頼後、ただちに取立てがストップ。
和解・調停の成立債権者が同意しなければ調停不成立となり、ほかの手続を選択しなければならない。和解の成立には債権者の同意が必要。ただし、ほとんどのケースで和解が成立する。
過払い金過払い金の取戻しは行われないため、過払い金を考慮した調停をすることが困難。過払い金の取戻しもできるため、返還された過払い金を踏まえた返済計画を立てることができる。
債務名義調停調書は裁判の判決と同じ効力を持つため、返済ができなくなった場合にはただちに給料差押え等の強制執行をされてしまう可能性がある。通常債務名義は作成されないため、返済ができなくなった場合でもただちに強制執行されることはない。

特に大きな違いである以下の3点について、詳しく解説していきます。

  • 取立てが止まる時期
  • 債務名義の有無
  • 解決までに本人が費やす時間

取立てが止まる時期

任意整理の場合は弁護士に依頼すればただちに取立てが止まるのに対し、特定調停の場合は裁判所に申し立てない限り、取立ては止まりません。
特定調停の申立てには、特定調停申立書のほか、関係権利者一覧表や財産の状況を示す明細書が必要になります。
そのため特定調停の場合だと、取立てが止まるまでに相当の期間がかかることも少なくありません。

債務名義の有無

特定調停の場合、合意が成立すると調停調書という書面を裁判所が作成します。
この調停調書は裁判の判決と同じ効力があるので(これを債務名義といいます)、債権者との合意どおりに支払うことができなかった場合、債権者は給料差押え等の強制執行をすることができます。
これに対し、任意整理の場合も、債権者と合意ができたら和解書という書面を作成しますが、これには判決と同じ効力はありません。
そのため、返済ができなくなった場合に、ただちに強制執行を受けることはありません。

解決するまでに本人が費やす時間

表には記載しておりませんが、特定調停と任意整理では解決までに本人が費やす時間も異なります。

任意整理の場合、弁護士が代理人としてすべての交渉・手続を行いますので、時間や手間をとられることなく、安心して仕事等に専念することができます。

これに対し、特定調停の場合、調停委員が仲介するとはいえ、基本的には本人が各債権者と交渉する必要があります。
しかも、債権者ごとに交渉をしなければならないため、1社あたり30分~1時間ほどかかることもあり、1回の調停に数時間を費やすこともあります。

特定調停が行われるのは1ヵ月に1回程度なので、合意が成立するまで数ヵ月かかります。
そして、裁判所は土日祝祭日には開廷していないため、調停に行くために何回か仕事を休まなければならないことが多いです。

任意整理と自己破産・個人民事再生とはどう違うのですか?

任意整理と自己破産・個人民事再生との一番の違いは、裁判所の関与の有無です。
任意整理は基本的に裁判所を介さずに手続を進めますので、裁判所に行くことなく手続を進めることが可能です

任意整理をしたことが家族・知人・会社に知られますか?

基本的に知られることはありません。
もし、家族・知人・会社などから借金をしていたとしても、任意整理の場合は介入する相手先を選択することができますので、弁護士が介入しなければ、基本的に家族・知人・会社などに知られることはありません。

ただし、関係する書類などを家族・知人・会社に見られてしまえば、当然知られてしまいますので、書類の管理には注意が必要です。当事務所では、依頼者の方へ書類を郵送する際には最大限の配慮をしております。

たとえば、郵送の際には、法律事務所の名前が入った封筒ではなく個人名の封筒を使用する、ご希望に応じて電話でご連絡する際には、法律事務所名ではなく個人名を名乗る、といった配慮をしております。

任意整理には手続前に知っておきたいデメリットが存在します。詳しくは、以下のページで解説しています。
任意整理のデメリットを見る

学生やアルバイトでも任意整理は可能ですか?

学生やアルバイトの場合であっても,継続的な収入があれば任意整理は可能です。借金が減額されたとはいえ,一定の金額を月々少しずつ返済していかなくてはなりません。ですから,収入の多い,少ないよりも,継続的に返済していくことのできる返済原資を確保することが大切です。

まずはお気軽にご相談ください。

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